Queen's File12 vol.11 横西奏恵

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今年12月、全国初となる「GI賞金女王決定戦」が大村で開催!選ばれし12名だけが賞金女王(クイーン)への挑戦権を獲得できるこの大会に、出場有力な選手を紹介する「Queen’s File12」最終回は賞金女王決定戦に出場予定、最強女子レーサー・横西奏恵選手をキャッチアップだ!

賞金女王決定戦、まずは出場しないことには意味がない。

—第1回賞金女王決定戦が開催されます。この初開催が決まったときどのように思われましたか?

女子選手が取り上げられて良いことだと思いました。この競走が元々あったものであれば、『それを目標に!』とするところですが、初めてなのでまだ実感が無いですね。一度開催されれば、実感がわくのかもしれません。

—開催が決まり、賞金や出場に対して意識されましたか?

賞金に関してはそんなに…(笑)。それが一番上のグレードのレースではないですし、SG 競走もありますので、ランクとしてはSGが上かなという気持ちはあります。賞金女王だからといって意識していることは特にありませんし、まずは出場しないことには意味がないと思います。今期はフライングを1本切ってしまったので、これからフライングに気をつけて、きちんと走れるようにがんばりたいと思います。

—昨年、女子リーグを卒業されましたが、気持ちに変化はありましたか?

最後の方はリーグをあまり走っていなかったので、そんなに変わらないです。変わったのは、休みの予定が組めないということでしょうか(笑) リーグを走っている頃は、大体次ここのリーグ戦を走るかなというのが読めたので。

—女子戦や一般戦と、SGでは戦い方の違いはありますか?

違いますね。女子戦だと、1周2マークを回れば、着が大体決まってしまうように思いますが、SGだとゴールするまで分かりませんし、誰がどこからくるか分からないので、ミスができないです。少しのミスをすれば、1個のターンマークで着を2つや3つ落とすことになります。

—昨年のSG笹川賞では、SGドリーム戦で女子レーサーとして初勝利、優出もありと、記念レースでも活躍が増えました。

そんなこともありましたね(笑)。だからと言って特に何も変わってはいませんが、若い選手もいっぱい出てきていますし、どこに行っても気持ちでは絶対負けないようにしようと思っています。気付けば私もキャリアが上の方になっているので、SGの雰囲気に押されるようなことはもうないですしね(笑)。

結婚は全然考えていなかったです。人生何があるかわからないですね(笑)

−女子レースでは常に一番人気を背負っていますが、オッズは気にしますか?

Queen's File 画像02申し訳ないですが、全く気にしていないです。見ても何も思わないですし、人気であってもプレッシャーになることはないのです。ただ私、実はすごく緊張するタイプなんです…。エンジンかけるまでが緊張するので、早くエンジン始動ランプが点いて欲しいと思っています。歩いて敬礼して始動がつくまでが、すごく緊張しますね。始動ランプが点けば大丈夫で、緊張はなくなりますね。

—プライベートでは、一昨年12月に山崎智也選手とご結婚され、人気トップレーサー同士の結婚と話題になりましたが、結婚生活はいかがですか?

生活は、ほぼ変わらずですね。徳島で生活しているので、私の生活に変わったことはないです。どちらかというと、智也さんはすごく変わったと思います。私としては、もともと子供と生活していたところに、お父さんが来て家族が増えたという感じです。

—智也選手との結婚は、長い間考えていたのですか?

全然考えていなかったです。「いい人がいたら結婚したい」というのも全然なく、そんな気はなかったんですよ。智也さんと付き合い始めた時も、結婚までは考えてなかったですから。子供もいるし、結婚までは深く考えずにお付き合いを始めました。いくらなんでも結婚はないなと思っていましたが、半年で結婚してしまいました。人生は何があるか本当に分からないですよね(笑)

—家では主婦との両立。大変ではないですか?

普通に家に帰ったら主婦なので、両立は慣れですね。オンとオフを切り替えられますし、両親も一緒に住んでいるので、特に苦はないです。料理ももちろんしますよ!

—得意料理は何ですか?

魚料理です。うちはほとんど魚です、徳島なので魚が美味しいんですよ!父親が釣り好きで、ほぼ毎日釣ってくるので(笑) もちろん、私がさばきます。大きい魚よりキスのような小さい魚が好きですね。

—夫婦二人ともSGレーサーで多忙かと思いますが、生活にすれ違いはないですか?

すれ違う時はすれ違いますが、他のレーサー夫婦に比べれば、一緒のレースを走る機会も多いですし、その点は楽しいです。同じ記念レースに参加する時は、レース場の近くに前泊して、「今日、何食べる?」なんて、二人で相談しながら、ちょっとした旅行気分も味わえますし、楽しいですよ(笑) 

智也選手は一番のアドバイザー。レーサーとしての目標です。

—ご夫婦本当に仲が良いんですね!それでは、同じレーサーとしての智也選手は、横西選手にとってどんな存在ですか?

レース場では、いつも教えてもらっています。一番のアドバイザーですね。以前は、レース場で一緒になっても深い話はしていなかったのですが、お付き合いが始まり、レースの話や色んな話をするようになりました。本当に凄い人だと思っています。レースに対する姿勢で学ぶ事がいっぱいありますね。旦那さんは尊敬できる存在ですし、レーサーとしての目標でもあります。

−今年は、プロペラ制度の変更がありました。制度が変わって休日の時間の使い方は変わったのではないでしょうか?

Queen's File 画像03時間はできました。休日は好きなように過ごせますし、すごく楽になりました。旅行が好きなのですが、最近では、智也さんと休みがちょうど合って、ちょっと時間が空いている時に「日帰り温泉行こうか」と思い立って行きました。子供が学校に行った後、パッと二人で行って…、温泉入って、ランチして、堤防で釣りをして…子供が学校から帰ってくる前に家に帰って、何食わぬ顔で「おかえり〜」って娘を迎えましたね(笑) バレたら「私も行きたかった〜」ってなりますから(笑)。そうやって休みが平日に合うのはいいですね。まだ新婚旅行に連れて行ってもらっていないので…是非海外に行ってみたいですね。3人で行きたいって考えています。海とか島とかいいですね。

—そもそも横西選手がボートレーサーになったきっかけは何ですか?

父親の薦めです。父はボートは全然しないのですが、小学生ぐらいの時に“この子は普通の仕事は出来なさそうな気がする“と思ったようで、特殊な、女性でもできる仕事があるというのをどこかで聞きつけてきたらしく(笑)、それを私が勝手に「舟に乗れる」と思い、楽しそうだなと思っていた…それがきっかけです。小学生の時にボートレースを知りましたが、レースするとか、どんなことをするのかも知らないまま、舟に乗れるんだったら、ボートレーサーになろうかなと軽い気持ちで考えていました。 最終的に、進路を決めたのは高校の時です。普通に大学に行くのか、ボートレーサーになるのかとなった時に、普通の仕事はつまらなそうだな、飽きちゃうだろうなと思い、そちらの道に進みました。学科試験は結構苦労したんですが、なんと76期から試験がマークシートに変わって合格できました(笑) 私、運だけできてますから(笑) 

—本栖研修所に入学してからはどうでしたか?

入学してからは学科が足をひっぱりましたね(笑)。覚える事が多くて…。あまりにも悪いと辞めさせられることもありますが、そこまでは大丈夫でした。厳しさもはあまり感じませんでした。1年2ヶ月でプロになれる職業なんて他にないですよね。この1年2ヶ月を乗り切れば、どんな楽しい事が待っているのかなと思って、とにかくここだけが乗り切れ!と必死でした。

—実際、選手になってよかったことや逆に辛いと思うことは何ですか?

Queen's File 画像04いろんなところに行って、いろんな美味しいものが食べられることでしょうか。辛いと思うのは、食べるためにしている仕事なのに、食べられない時かな(笑)。  食べるのは本当に好きです。これが太るものが好きで、ケーキとか果物とか甘いものが大好きです。高カロリーのものって美味しいじゃないですか。美味しいものは好きです。減量も考えなければいけないので、太ったら「あー我慢しなきゃ」と思います。この仕事ではなかったら、ずーっと食べて、ぶくぶく太っていたかもしれませんね(笑)。

—選手になっていなかったら何をされていたと思いますか?

多分…イルカに乗っていると思います(笑)。調教師になりたかったので。イルカとかシャチに乗ってショーをしたかったです。ボート選手がダメだったらその道に行こうと思っていました。大学のそういった学科に行って、動物学を学んで、シーワールドとかで働きたかったですね。

−それではレースに話を戻します、そのプロペラ制度の変更以降のレースはいかがでしょうか?

良かったり悪かったりですね。掴んだかなと思っても、次の節に行くと『う〜ん』となったりしますので、エンジンなりで、パワーを引き出すことができないこともあって難しいですね。持ちペラの時と基本的な事は変わっていないとは思うのですが、少し難しくはなったのかなと思います。

—今後のレースを勝っていくために、意識していることはありますか?

最近、太りすぎているので絞ろうと思っています。そこが一番の目標です。歳でしょうか…(笑) 体に締まりがなくなって、代謝が悪くなったのかもしれません…。摂生はしているつもりなのですが、周りからは「食べてる!」と言われます(笑)。ですが、レース中は朝昼晩3食は食べませんよ。食べても昼はちょっとだけです。家では食べちゃいますね。

目標は無事故完走。

—レースのために心掛けていることや、レース期間中のリラックス法はありますか?

心掛けているのは体重ですね(笑) リラックス法は、話をするかデザートを食べるかです。デザートは宿舎に買って持っていきますが、智也さんに怒られます。「お前レース場に何しに行ってるんだ」って(笑) 『皆がタバコ止められないのと一緒だよ!』って言いながら…ほぼ毎日食べています。やっぱり食べ過ぎってよく言われますね。

—中長期的な目標はありますか?

Queen's File 画像05大きな目標はいつも立ててはないのですが、『無事故完走!今年も1年元気に走れますように』ということです。私は常に行き当たりばったりなので…。私を知らない人には、色々考えてそうと言われますが、本当に何も考えていないんですよ。A型なのですが、周りには絶対違うって言われています(笑) タイトルにもこだわりはない方ですが、それでもやはり、女子王座を獲りたいというのは毎回ありますね。

賞金女王の舞台が大村で良かったです。出場できれば賞金女王になりたいです!

—(取材日の7/9時点で)賞金ランキングは3位。このまま行けば賞金女王決定戦へ出場は濃厚です。

(出場できるかどうか)そればっかりは、分からないですよ…(笑)子供も欲しいと思っていますし〜。だから、出られないかも(笑) その時はその時で。分からないですよ、授かりもんだから(笑)。

—賞金女王は大村での開催となりました。大村では過去に優勝もたくさんされていますし、記念レースや女子戦も常連ですね。

大村はよく走らせてもらっていますし、相性も良いです。好きな水面なので賞金女王が大村で開催されることになって良かったと思います。大村は、レース場という感じがしないんですよね。水面が自然な感じで、ゆったりとした気持ちになります。スタッフの皆さんもゆったりとされていますし、長崎の方は口調ものんびりされていて優しい印象です。

—それでは最後に、年末の大一番、賞金女王決定戦に向けての意気込みをお願いします。

もちろん『賞金女王』というタイトルを獲りたいという気持ちはありますが、まずは、賞金女王を走れるようにがんばらないといけないですね。そして第1回目ですので、出場できれば、賞金女王を獲れるようにがんばります!

取材日:平成24年7月9日

【取材後記】

常に笑顔で笑いが絶えないインタビューでした。ご本人もインタビュー内にあるように「何も考えていない、テキトー」という横西選手の素顔が見られました。レースに対しても考えすぎることなくこなされているようですが、山崎智也選手と結婚して、更にレースに対する意識が高まり、プラスになっている印象を受けました。賞金女王決定戦へはもちろん出場当確、過去にはF2で女子王座決定戦優勝歴もあり、逆境での強さは抜群。誰もが認める「女子最強」の走りを、年末の大村水面でぜひとも見せて欲しいですね!

プロフィール

名前 横西 奏恵(よこにし かなえ)
登録第 3774号
級別 A1級
所属 徳島支部
出身 徳島県徳島市
生年月日 1974年7月6日生(38歳)
身長/体重 156cm/47kg
血液型 A型
登録期 76期
趣味 旅行、ショッピング
性格 子供っぽい、テキトー(笑)
好きな食べ物 栗、果物
好きなスイーツ ンブラン、チーズケーキ
好きな戦法 まくり差し