Queen's File12 vol.07 池田紫乃

Queen's File 画像01

今年12月、全国初となる「GI賞金女王決定戦」が大村で開催決定!選ばれし12名だけが賞金女王(クイーン)への挑戦権を獲得できるこの大会に、出場有力な選手を紹介する「Queen’s File12」今回は地元・長崎支部の女子エース池田紫乃選手をキャッチアップだ!

大村水面の相性はいいです。地元だし負けられない!という気持ちになりますね

—第1回賞金女王決定戦の開催が決定しましたが、初めての開催が決まりどのように思われましたか?

地元で第1回があるということで、『賞金女王に行きたい!』と思いました。地元開催なので、地元選手が出た方が盛り上がるでしょうし、本当は1人ではなくて皆で出られればいいんですけどね。欲を言えば、もう少し早く、若い時期に開催されればよかったな…と思いました。最近、自分のレースもできていないので。プロペラを合わせる事も出来ていませんね。

—賞金女王決定戦は大村での開催となりました。地元水面の相性はいかがでしょうか?

相性はいいです。いままで地元では練習を頑張ってきたし、『地元だし負けられない!』という気持ちになれますしね。水面も好きですよ!よく大村の2マークは難しいと言われますが、私は好きです。

—“賞金女王”というタイトルについては女子王座と比較していかがでしょうか?

『賞金女王』だから『女子王座』だからというのはなく、一走一走大切に走ることを心がけているのでタイトルに対する意識はあまりないですね。気合いを入れ過ぎると空回りしてしまうタイプなんですよね(笑)。女子王座は成績上位の52名の戦いで、上手い選手ばかりなので、整備も合わせてきてエンジンも出してきますので、レース的には厳しくなります。もちろん女子王座のタイトルは、皆そうだと思いますが、女子レーサーとして走っている以上は獲りたいと思っています。賞金女王に関しても選手間で話題に挙がるほどではなかったですが、出られるものなら出たいと皆思っていると思います。

—女子王座は2007年から7回連続出場中です。

今年の若松女子王座は出場権利もギリギリでしたし、この1年…ダメなんですよね。このところB級ですし、まずはA級に戻って頑張りたい!という気持ちがあります。女子王座に臨む時も、いつものペースで行きます。女子王座は記者さんがすごく多くて最初に出た時は、圧倒されて、周りの先輩方もピリピリしていた印象がありましたが…今は慣れでしょうか、そんなに感じなくはなりました。一昨年の女子王座では、好成績で準優に乗れました(予選トップ通過)が、たまたまでしたので…。王座の相性はあまり良くないみたいですね。

—昨年は女子賞金ランキング53位、現在47位(2012/7/15現在)ですが、賞金女王の開催が決まってから賞金は意識されていましたか?

もちろん意識はしましたが、B級なので、走る回数も少ないですし、正直厳しいかなあと思いました。今年はA級になりたかったですが…ダメでした。ただ、今年は年末に賞金女王があるので、賞金面でも、まずは若松の女子王座ではしっかり活躍しなければという気持ちが強いですね。王座のタイトルも出場している限りはチャンスはあると思っています!

「夢の初優勝決定戦」は本当に嫌でした(笑)周りの選手に“池田紫乃杯”と言われて…

—昨年は苦しい一年だったと思いますが、そんな中で悲願の初優勝(デビューー通算14年8ヶ月目、26度目の優出!)を果たされました。

Queen's File 画像02やっとでしたね。鳴門は好きで、相性がすごく良くて、走れば優出できていましたし、エンジンもたまたま良いのを引けて、勝率はそこまで良くないのにプロペラが合ってくれました。前検から良かったですし、なんとかなるだろうという気持ちでした。いつもは緊張するのですが、エンジンも出ていましたし、(得意の)鳴門だし…という思いもあり、自分に「行ける、大丈夫」と言い聞かせたら、優勝戦はめずらしく緊張せずに自信を持ってレースに行けました。それまでは、他のどの選手よりエンジンが出ていても、優勝したい!という気持ちが大きく、空回りしてしまい、自分でも覚えていないぐらい下手くそなレースをしていたと思います。

—地元での優勝の機会と言えば、企画レース“夢の初優勝”決定戦がありましたが…

1度出場しましたが、本当に嫌でした(笑)。もし、地元以外のレース場だったら、楽しんで行けたと思いますが、私が出場した時は、周りの選手に“池田紫乃杯”と言われて(苦笑)自分が優勝候補だということはわかっていましたし、オッズを見ても人気ですし、ファンの方や関係者の皆さんも応援してくださいますし、勝手にプレッシャーを作ってしまっていて…。結局、優勝戦にも乗れずに終わりましたし、キツかったです。堀之内紀代子選手と私が勝率で抜けていたので、走る度にキツイねキツイねって言い合っていました。私自身も去年1回優勝できたので、もう出られないのでよかった〜と思いましたし、堀之内選手も他で優勝できて良かった〜って言っていましたよ(笑) あとは、(仁科)さやかに引き継ぎます!(笑)

—女子選手の間では“夢の初優勝”はどのような評判でしょうか?

Queen's File 画像03企画としては本当にいいレースだと思います!周りの女子選手に聞いたら、誰かが初優勝できますし、自分にもチャンスがあるわけだから、本当に楽しいし、楽しんでレースに臨めると言っていました。今年の『夢の初優勝』に出場された小杉志津江選手も優勝戦に乗られて、かなり楽しかったみたいです。若い選手にはまだまだたくさん優勝のチャンスがありますが、上の選手にも優勝のチャンスがあるレースなので、違う感動が生まれるいい企画だと周りの選手からも言われます。

—昨年優勝されてから、レースに対する気持ちで何か変化はありましたか?

優勝してからが…全然ダメなんですよね。これで、『初優勝』のプレッシャーから離れられて、ポンポンと何回も優勝しよう!という気持ちになっていましたし、1回できたのだから、リラックスしてレースに臨めるだろうと思っていました。 それが逆に、優勝してからは今は優勝戦に乗れないですし、準優に乗ることすら難しくなっていて…。エンジンの引きも悪くなりましたし、プロペラが分からなくなって、それまで使ってきたプロペラなのに、エンジンに合わせようとして分からなくなってしまいました。スタートも特訓で、フライングしてもいいのに、それさえも分からない状況でした。

女子リーグは卒業したので、次は地元の一般戦で優勝したいですね!

—4月からのプロペラ制度変更が流れを変えるきっかけになりましたか?

制度が変わって、スタートタイミングが分かりやすくなってきたので、自分のプロペラを随分おかしくしてしまっていたことに気付きました。最近は気持ちも弱気になっていましたし、仲のいい女子選手にも、よく弱気になっていると言われます。(取材時の大村)レースに来る前も「もうちょっと強気で!地元だし行けるよ」って連絡くれたので嬉しかったですね。

—そして今年は女子リーグを卒業されました。

女子リーグは今年5月で卒業しました。地元のリーグが11月にあるのに、出られないのがショックです。それと、8月はずっと地元の女子戦があったので、今年はないのも寂しいですね。女子リーグがなくなって一般戦メインになると、レースも難しくなりますが、勉強になる部分もいっぱいあると思っています。地元のリーグ戦に出られなくなってしまったので、次は地元の一般戦で優勝したいですね!(松尾)美和子さんも地元で優勝したいと言われていましたし、ファンの方々や、関係者の皆さんが凄く応援して下さいますので。

—レース日以外のリラックス方法ですが、休日はどのように過ごされますか?

息子の学校が休みの時は、息子とブラブラ散歩したりしてよく遊びます。息子が学校の時は、ブラブラするのが好きで、コーヒーが好きなので、喫茶店やカフェに行ってマスターとおしゃべりしています。よく行くのは、長崎の“珈琲人町”です。最近はまっているのも珈琲で、豆を買ってきて、挽いて入れます。ガッツリくる濃い味が好きです。特に“人町”のブレンドがお気に入りですね。宿舎にも、ミルを持ってきて挽いて飲んでいます。女子選手はコーヒーにハマっている人が結構多いですよ!師匠の川上昇平さんは趣味が多彩で、コーヒーも最初は昇平さんに教えて頂きました。

—それでは最後に、今後の目標、大村賞金女王(シリーズ戦)に向けての意気込み、ファンに向けてのメッセージをお願いします。

Queen's File 画像04ひとまず、A級に戻ります!B級になって、点増しのレースになかなか乗せてもらえないですし、月に走るレースの数も違いますので、級差をひしひしと感じています。また、フライングで休みだけはしないように心掛けます。賞金ランキングは、まだまだ順位に大差がないですし、盛り返せると思いますので、目の前の一走一走を頑張って、年末の賞金女王出場に向けて最後まで頑張ります!応援よろしくお願いします。

取材日:平成24年6月22日

【取材後記】

インタビューで「まずはA級に戻ります」と宣言したとおり、来期(2013年1月〜)のA級返り咲きを果たした池田選手。地元ビッグレース出場へのモチベショーンも手伝って、新プロペラ制度導入以降は、昨年の不調が嘘のように勝率はグングン上昇。賞金的には、女子45位前後とシリーズ戦へは出場安全圏につけました。取材時に「やっぱり地元ですし、決定戦にもちろん出たいですが、最低でもシリーズ戦には残らないとさすがに…」と語っていたノルマはひとまず果たした…かのようにみえました。 しかし、好リズムで迎えた9月の宮島女子戦、優勝戦でまさかの勇み足。女子戦優勝戦Fの罰則により、地元ビッグレースへの出場は幻に…。今回の賞金女王出場は残念ながら果たせませんでしたが、好調モード継続中の池田選手に注目しましょう。

プロフィール

名前 池田 紫乃 (いけだ しの)
登録第 3871号
所属 長崎支部
級別 B1級
出身 長崎県長崎市
生年月日 S50年11月7日生(36歳)
身長/体重 154cm/44kg
血液型 AB型
登録期 79期
趣味 珈琲
性格 テキトー
好きな食べ物 とんこつラーメン
好きなスイーツ アイス(pino)
好きな戦法 まくり差し