Queen's File12 vol.04 田口節子

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今年12月、全国初開催となる「GI賞金女王決定戦」が大村で開催決定!選ばれし12名だけが賞金女王(クイーン)への挑戦権を獲得できるこの大会に出場有力な選手を紹介する「Queen’s File12」今回は、2011年、2012年の女子王座を連覇、賞金女王争いのトップを独走する女王・田口節子選手をキャッチアップだ!

「児島記念の準優1号艇は女子王座よりも緊張…結果はダメでも経験できたことは大きいです。」

—今年「第1回賞金女王決定戦」の開催が決定しましたが、初めての開催が決まりどのようなお気持ちですか?

いまいちピンときていないというのが正直な気持ちですが、やはり初めての賞金女王ですし、その舞台に立ってみたいという思いはあります。『賞金女王があるから』と気負いしないで、いつもどおり走った中で結果を出して、賞金女王に出場できればと思います。

—昨年の賞金ランキングは女子で1位(3682万)、一昨年は5位と充分出場を狙える位置にいると思います。今年は、賞金を意識しての走りになりそうですか?

賞金を意識してしまうと、リズムがおかしくなりそうなので、とにかくいつも通りの気持ちで走りたいです。意識しすぎずに、一昨年や昨年と同じように普通に走って成績が残せればいいですね。

—昨年は、3月に女子王座を優勝、その後はSGや記念戦への出走機会が増えました。

Queen's File 画像02以前は、女子戦がメインで、記念レースが間にポッと入る形だったのですが、最近は記念レースがメインで、女子戦が間に入る形になってきたので、女子戦に行ったときに少し余裕が出てきた感じがしますね。気持ちの面でもそうですし、行動やレース場での過ごし方に余裕を持てているというのを感じました。やはり、記念レースの雰囲気は全然違いますので、女子戦が主だった昔は、記念レースに行くと気後れして、なんか嫌だなというのがあったんですが、ようやく記念の雰囲気にも慣れてきました。

—記念に慣れてきた頃の昨年11月。地元・児島でのGI周年記念では、準優勝戦1号艇。残念ながら、優出はなりませんでしたが、プレッシャーは大きかったでしょうか?

プレッシャーというよりも緊張しました。今まで経験してきたレースの中で、一番緊張したと思います。女子王座の優勝戦よりも緊張しましたね。結果は残念でしたが、ああいった舞台を経験できた事が嬉しいですね。女子戦や一般戦を走っていてはできない経験ですし、その舞台に立たなければできないことですので。予選でそんな成績を残せたことにびっくりでした。

「仕事は今でもキライです・・・仕事だからできるし趣味だったらこんなに頑張れないですね(笑)」

—以前、ボート雑誌のインタビューで“仕事があまり好きではない”と拝見したのですが、今も変わりないですか?

Queen's File 画像03今でもキライです(笑)でも昔よりは好きですし、今は好きという方向にもっていくようにして、好きになりたいという気持ちで走っています。好きになるのは、選手を辞めるまでに…辞める頃には好きになれたらと思います。辞める直前に好きになるかもしれませんね。

—ボートレーサーになろうと思ったきっかけは何ですか?

父がボート好きだったので、受けてみろと言われました。特にやりたいこともなかったので、とりあえず1回だけ受けてみようという気持ちでボートレーサーの試験を受けました。それまでは、ボートレースを見たこともなかったですし、どんな世界かも知りませんでしたので、一体、この世界は何なんだろう…?って。選手養成学校時代は、苦痛で仕方なかったですし、最初は父を恨みましたね。ボートレースもただ仕事という捉え方ですので、仕事ではなかったら、絶対しないですし、好きでもないです(笑)。

—実際に、選手になってみていかがですか?

やはり精神的にはつらいですね。それでも、仕事だから頑張れているし、趣味だったら絶対こんなに頑張ってないと思います。レースでは、勝てるとか勝てないとかではなく、「勝たなきゃいけない」というキツイ気持ちがありますし、それは女子戦でも一般戦でも変わりません。性格が負けず嫌いなのだと思います。選手になってよかったことは、優勝した時の達成感ですね。これは他では経験できないですね。

「20代は、ただがむしゃらに、30代は客観的に走れるようになりました。」

—昨年30代に突入されましたが、何か気持ちの変化はありましたか?

Queen's File 画像0430代を節目に変わろうと思っていましたので、変化が出てきていると自分で感じています。20代は、ただがむしゃらに走ってきたので、30代は周りを見ながら、客観的に見て動けるようになっていて、少し自分が好きになりました。

—プライベートでは、いかがでしょう?例えば結婚を考える事はありますか?

うーん、今は…ないですね。結婚したら、選手を続けるか分からないですしね…。でも選手を辞めたら生活できないかもしれないので、仕事としてレーサーをやると思います。(笑)

—仲の良い選手はいますか?

同県同期の田中健太郎選手とは、同じペラ小屋で一緒にしていて仲が良いですね。同県でないと、なかなか付き合いが難しいです。女子選手でも、同県の選手とよく話します。寺田千恵選手はいいお姉さんです。同期の佐々木裕美選手も仲いいです。樋口由加里選手は弟子なので、可愛いですね。

—樋口選手も、昨年初優勝を飾るなど着実に成長していますね。周りの若手女子選手を見てどう感じられていますか?

頑張る子は頑張るし、頑張らない子は頑張らないと、人それぞれだと思います。その子がどこを目指したいかではないでしょうか。結局、先輩があーだこーだ言ったところで、本人がやるかやらないかですよね。目指すところが違えば違うと思います。

—お休みの日はどのように過ごされていますか。

Queen's File 画像051日はプロペラをして、丸一日はゆっくりする時間をとって、あと休みがあれば、趣味の時間をとります。最近は料理教室に行ったり、パンを作ったりして楽しんでいます。料理は良くするのですが、パン作りが楽しくて、最近はパンばっかりです。お酒はビールが好きですね。レース後には、ビールで3〜4杯はいけます。飲むのはビールだけですね。大体、レース後に飲むので、体重なんかは気にせずに飲みますよ。

—賞金はどのように使われていますか?

賞金ですか!? 欲しいものを買います。あまりお金遣いは荒くない方だと思います。あとは両親思いなので(笑) 両親に色々してしまいますね。

—さて、賞金女王の舞台は大村です。女子王座(2005年)でGI初優出の地でもありますが、昨年のチャレンジカップで久しぶりの出走でした。大村の相性や印象はどうですか?

大村はチャレンジカップで走ったのが、2年4ヶ月ぶりですので、水面も忘れてしまっていました。昔はよく呼んでもらっていたので好きだったのですが、今は走っていないので、よく分からないですね。雰囲気はのんびりしていて好きです。

「大村への移動はキツイです、毎回『かもめ』にやられます(苦笑)」

—以前、岡山から大村への移動が大変で遠いというお話を伺いましたが、変わらないですか?

そうですね、移動はキツイです。今回も特急の『かもめ』に酔いながら来ました(苦笑)。距離は桐生の方が遠いのですが、『かもめ』にやられますね。申し訳ないのですが、年に1回くらいが丁度いいかな…むしろ2年に1回でもいいかな(笑)。ちょっと遠いです。

—それでは最後に、年末に大村で開催される賞金女王決定戦に向けての意気込み、ファンに向けてのメッセージをお願いします。

意気込みは“絶対出る!”ということです。出場して、獲れたら獲りたいなという思いです。出るのは出ます!温かい目で見守って下さい。応援よろしくお願いします。

取材日:2011年11月21日

【取材後記】

昨年は5つのSGに出場、そして今年は女子王座の連覇を皮切りにここまで総理杯、笹川賞、グラチャン、オーシャン、MB記念とSGも全て出場し、もはや女子トップレーサーだけではなく、SG常連としての貫禄がみえてきました。 田口選手といえば、思い出されるのは2005年大村での女子王座決定戦。本人が「あれは、思い出したくないですね」と語った優勝戦は、1号艇でのGI初優出。結果は日高逸子選手のカドまくりに沈み3着と、ほろ苦い思い出となってしまいました。「第1回賞金女王決定戦」はその借りを返すこれ以上ない舞台!7年越しのリベンジへ挑む田口選手の賞金女王での活躍に期待しましょう!

プロフィール

名前 田口 節子(たぐち せつこ)
登録第 4050号
所属 岡山支部
級別 A1級
出身 岡山県
生年月日 S56年1月14日生(31歳)
身長/体重 162cm/46kg
登録期 85期
血液型 AB型
趣味 ゴルフ
性格 負けず嫌い
好きなスイーツ 最近はコンビニ(セブンイレブン)の杏仁豆腐
好きな決まり手 勝てれば何でもいい
通算優勝数 36回(2012年9月3日現在)
主なタイトル GⅠ第24回JAL女子王座決定戦(平成23年)
GⅠ第25回女子王座決定戦(平成24年)