今年12月、全国初開催となる「GI賞金女王決定戦」が大村で開催決定！選ばれし12名だけが賞金女王(クイーン)への挑戦権を獲得できるこの大会に出場有力な選手を紹介する「Queen’s File12」今回は、記憶に新しい女子王座での、長嶋茂雄コスチュームで話題をさらったエンターテイナー、静岡の元気印・長嶋万記選手をキャッチアップだ！
今年の目標は賞金女王決定戦への出場です！
—今年、第１回賞金女王決定戦が開催されますが、初めての開催が決まりどのようなお気持ちですか？
今年の目標を立てる時に、年間を通してコンスタントに勝てる選手になりたいと思っていました。そんな時に“賞金女王”の開催が決まったので、本当に時期的にもいいタイミングでしたし、年間を通してのモチベーションなる！と思いました。率直には…どれだけ優勝賞金もらえるんだろう？と思いました(笑)。今年の目標は賞金女王決定戦への出場です！
—賞金女王の開催が決まってから賞金を意識されていますか？
今年のはじめは調子も良くて、女子リーグで優勝もできて、良い位置にいたのですが、B１級ということもあって、出走回数が少ないのでどんどん抜かれてしまいました。賞金に関しては、そこまで強く意識はしていないのですが、やはり結果だと思いますので、順位を気にするということよりも一走一走やった結果、自分がどの位置にいるのかということが大事だと思います。一走一走全力で最後まで諦めないで戦いたいと思います。
—2012年の女子獲得賞金ランキングでは18位（8月16日現在）。出場が十分狙える位置ですね。
出走回数が少ない割には、ここまで好調にきていると思います。ただ、７月からはＡ１級に戻って、出走回数が増える！と思っていた矢先にフライングを切ってしまいました…。ですが、まだまだチャンスはあると思っているので、一走一走頑張りたいです。
—2010年の8月、初優勝そして初のA1昇級を決めて、さぁこれから！というまさにその時期に産休に入られました
確かに、傍から見るといい状態だったと思います。ただ、自分では優出はしているけど、優勝ができなかったり、本物のＡ１ではないなと感じていた時期でしたし、気持ち的にも勝たなきゃいけない！負けられない！という精神状態に勝手になってしまっていて、行き詰まっていた時期でもあったので、ホッとできて、ファンの皆様には申し訳なかったのですが、解放されたという感じがしました。
産休中はなまけていました。母としてはB2級以下です（笑）
—産休中はどのように過ごしていましたか？
レースは見なかったです。ドラマを見てばかりで…大丈夫？というぐらいなまけていて(笑) 普通に働いている方はギリギリまで働いていたりするのに、早くからなまけていましたね(笑) 主婦業もありましたが、お姑さんが色々してくれたので、甘えてばかりで何もできていないです。母としてはＢ２級以下ですね(笑)
でも、１年間レースを離れたことは、すごく新鮮でした。休みの間に家を建てたのですが、大工さんの仕事の丁寧さを見て、こういう所が自分にはなかったなとか、ボートレース以外で学べたことが多くて、言葉にするのは難しいのですが、復帰後レースを見る視点が変わりました。
—復帰後は、３節目で優出、５節目で優勝と快進撃が続きました。出産後、レースに臨む気持ちに変化はありましたか？
オンとオフの切り替えができるようになったと思います。独身の時は、ずっとボートのことばかりで、強くなりたいという気持ちが強くて、なかなかオフの時間がありませんでしたが、子供ができたことによって、オンとオフの切り替えをしなくてはいけないので、メリハリができて仕事が本当に楽しくて、レースできる喜びが生まれました。育児をこなした後に、バッと仕事に集中できる、そのメリハリの効いた感じが、レースに集中できる要因だと思います。復帰戦の最終レースは、早く帰って会いたくて、涙でターンマークが見えない感じでしたけど（苦笑）
—お子さんができたことが仕事の面でもプラスに働いているんですね。そもそも長嶋選手がボートレーサーになったきっかけは？
大瀧明日香さん（＝現在は愛知支部）が、中学から一緒にバスケをしていた２コ上の先輩で、めちゃくちゃかっこよくて憧れていました。高校も一緒に！と思い、同じ学校に入りました。大瀧さんが３年生になって進路を聞いたところ「ボートレーサーを目指そうと思う」と聞いて、当時ボートのことは何も知らなかったのですが、具体的な将来の夢もなかったですし、プロスポーツ選手に憧れはあったので、何かピンときて、私もなる！とそこから決めてしまいました。明日香さんの言葉が大きいですね、明日香さんがいなかったら、今ここにいないと思います。
—選手になっていなかったら何をされていたと思いますか？
子ども好きなのですが、保母さんはピアノが出来ないから無理だと思っていたので、幼児体育の先生か実家のお茶屋さんでしょうか(笑) 実家のお茶屋はおじいちゃんの代からで２代目なのですが、継ごうとはあまり思っていなかったので、改装して大好きなタイ焼き屋さんをやっていたかもしれません(笑)。
—実際、選手になってよかったことや逆に辛いと思うことは何ですか？
本当にいい仕事につけたと思っています。芸能人にも会えたし(笑)。自分も人間として成長できますし、心も鍛えられたと思います。辛いのは、子供に会えないことですね。
—長嶋選手は、マキプロジェクト(注：長嶋選手が1着をとるごとに1万円を積み立て、さらに優勝戦賞金の1割を加えたお金で、オリジナルグッズを作成販売し、その売り上げを社会福祉のために寄付をするチャリティープロジェクト)などチャリティ活動に積極的に取り組まれていますね。
マキプロジェクトは選手になったときからずっとやりたいと思っていました。以前、施設の学園祭に出た時に、選手として何ができるんだろうと考えて、どうせなら皆が喜ぶ何かをやりたいなと思い、始めました。オリジナルのイラストは、宿舎での暇な時間に自分で書いたものです。
—娘さんの事などを綴ったブログ“長嶋万記のバードアイ”も人気ですね。
ブログは、今はハマっていますね。育児日記が続かなかったので、その代わりにしようと思って書いています。
目標は、人間としても選手としても「超一流」。賞金女王ぜひ出させてください！
—それではレースに話を戻します。第１回の賞金女王は、大村での開催となりましたが大村水面の印象などはいかがですか？
大村はすごく久しぶりで、今回（注：取材を行った7月のGII男女ガチンコMB大賞）で３度目です。初出走では肩を脱臼してしまい途中帰郷してしまいましたし、あまり印象がなくて…あぁ、佐世保バーガーが美味しいという印象はあります(笑)。水面も新鮮で、競技場内も部品庫がどこにあって…と初めてみたいな感じで、レース場を掴めていないです。賞金女王の開催が大村と聞いてもピンとはこなくて、神聖な発祥の地という印象でした。日高さんが優勝された大村の女子王座も、すごく雪が舞っている中で、別世界の地だなあという思いでテレビを見ていました。でも、年末には賞金女王もありますし、今回は、新しい気持ちで臨んで、好きな水面のひとつにしたいという気持ちで来ました！
—今回の参戦は、ＧIIで男女ガチンコ戦という企画レースでした
メンバーが凄くて、男性選手もテレビで見るような選手の皆さんばかり、普段は一緒に走れないような方ばかりで、水面はもちろんですが、整備やプロペラ調整など、水面以外でも勉強になるシリーズになりそうで楽しみですね。まずは、準優勝戦に乗って、ガチンコで戦いたいです。
—今後のレースを勝つために、考えていることは何ですか？
総合力の底上げです。操縦の技術、走り方、モンキー、プロペラ、整備、スタート、メンタル…全て合わせての底上げです。
−最後に、今後の目標、賞金女王に向けての意気込みをお願いします。
目標は、人間としても選手としても超一流を目指したいということです。最大の目標です。そして、賞金女王！是非出させて下さい！
取材日：平成24年7月9日
【取材後記】
レースのこと、お子さんのこと、そしてマキプロジェクトのことなど、本当に楽しそうに語る笑顔がとても印象的だった長嶋選手。選手紹介では明るいキャラクターのイメージが定着していますが、それ以上に、とにかくポジティブで明るい方でした。目標とする年末の賞金女王決定戦への思いを語ってくれた長嶋選手、今年の賞金ランクは18位前後で推移していましたが、10月に入って成績は急上昇モード。10月の常滑オール女子戦では白星ラッシュで優勝、そして続く住之江女子リーグでも連続優勝と怒涛の勢い！決定戦12名の最後の枠を賭けて、11月大村女子リーグ戦は、正真正銘の勝負駆けとなりました。実力はすでに「本物のA1」、最後の最後でミラクルを起こすか！？とにかく目が離せない大村女子リーグ戦は11月16日（金）に開幕です！
プロフィール
| 名前 | 長嶋 万記（ながしま まき） |
|---|---|
| 登録第 | 4190号 |
| 所属 | 静岡支部 |
| 級別 | A1級 |
| 出身 | 静岡県御前崎市 |
| 生年月日 | 1981年5月28日生（31歳） |
| 身長/体重 | 165cm/50kg |
| 血液型 | AB型 |
| 登録期 | 91期 |
| 趣味 | ブログ |
| 性格 | お笑い |
| 好きな食べ物 | 小豆 |
| 好きなスイーツ | たい焼き |
| リラックス法 | 好きなものを食べる |
| 好きな戦法 | まくり差し |
「GI賞金女王決定戦」へ出場有力な女子レーサーのインタビューをご覧いただけます。
