Queen's File12 vol.02 山川美由紀

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今年12月、全国初開催となる「GI賞金女王決定戦」が大村で開催決定!選ばれし12名だけが賞金女王(クイーン)への挑戦権を獲得できるこの大会に出場有力な選手を紹介する「Queen’s File12」。今回は、女子王座V2、そして現役女子選手として唯一、男女混合GIでの優勝歴を持つ四国の代表レーサー・山川美由紀選手をキャッチアップだ!

「大村は好相性水面。去年の賞金を持ち越せれば良かったですね(笑)」

−昨年の6月に「第1回賞金女王決定戦」が開催されることが決定しました。初めての開催が決まりどのようなお気持ちですか。

Queen's File 画像02率直に、『ああ、出たいな』と思いました。毎年、女子王座を獲ることを目標にやってきましたし、それに加えて新たにタイトルが創設されることは女子の実力や人気が上がってきたことを認めてもらえたということなので、歓迎されるべきことだと思いますよ。まだ先のことなので、あまりピリッと来ない部分もありますが、「賞金女王」という新たな目標ができてよかったです。

−大村水面の相性についてはいかがでしょうか?

すごくいいと思います。全国でもベスト3に入るくらい得意な水面です。スタートを含めてすごく難しいレース場だと思いますが、それでも相性が良いんでしょうね。大村は好きです。

−昨年(2011年)は勝率7.65で女子トップの成績を残しました。

正直出来過ぎですね。昨年は本当にリズム良く来れたと思います。特に(大村と同じ)デカカバーのレース場の成績がよく、去年の優勝7回のうち6回がデカカバーです。賞金ランキングは女子で2位?(出場権が賞金上位順で決まる)賞金女王を考えれば、去年の賞金を持ち越せたら良いんですが、そういうわけにもいかないので(笑)

「デビューして27年。性格は少し丸くなったかな(笑)いい意味で気持ちに余裕を持てるようになった」

−山川選手は、99年には男女混合GIの優勝や女子選手初の通算1500勝、そして女子王座V2を達成するなど、常に女子レーサーの先頭に立って活躍されてきました。ご自身で、その足跡を振り返ってみるといかがでしょうか?

Queen's File 画像03うーん、デビューして27年になりますがいい時もあれば、悪い時もあったというのがそのままの感想ですね。技術面は別として、性格もあまり変わっていないと思いますよ。いや少し丸くなったかな(笑)「丸くなった」って周りからはよく言われるんですよ。

−性格が丸くなったというと?

負けたら「とにかく悔しい!」という気持ちは今も昔も変わらないんですが、昔はそれが全面に出ていましたね。若いころに比べると、今はクールになったというんでしょうか。良い意味で、気持ちに余裕が出てきたんだと思います。

−最近、四国は「女子王国」と言われるくらい女子選手の層が厚いですね。平山智加選手や平高奈菜選手など若手も育っています。女子選手が活躍できる何かがあるのですか?

やはり練習するには、恵まれている環境があるからだと思います。地元の丸亀ボートレース場は記念開催以外は、開催中に練習ができますし。香川支部だと、平山・平高はよく練習に来ていますよ。私はほとんどしないですけど(笑)

「リラックス方法はお酒です。成績にかかわらず最終日のレースが終わればずっと飲んでいます(笑)」

−さて、1月がフライング休みということですが、オフの時はどのように過ごされていますか?

Queen's File 画像04世界遺産巡りが好きなので、まとまった休みがあれば国内旅行に行くことが多いです。石見銀山や屋久島など今までいろいろ行きましたね。屋久島は4時間かけて歩いて縄文杉を見に行ったんですが、4時間歩いてこんなもんか〜と思いました(笑)去年は平泉に行く予定だったんですが、震災の影響で行けなかったので、今年はぜひ行きたいなと思っています。

−宿舎ではどのように過ごされますか?

マンガ本を読んでいるか、テレビでドラマを見ていることが多いです。毎回Myテレビをもっていきます。宿舎では香川の選手と一緒になることが多いですね。今回(注:取材日はSGチャレンジカップ開催中。インタビューは宿舎にて行いました)は田口選手と初めて2人部屋になったので、少し警戒しながら話しています(笑)

−リラックスの方法は他に何かありますか?

お酒が大好きなので、レース期間中は欲しいと思わないんですが、最終日のレースが終わってからはずっと飲んでいますね(笑)

−やはり優勝された後などは、ハメを外して飲んでしまいますか?

いや、成績が良かろうが悪かろうが、とにかく浴びるように飲んでますよ(笑)熱燗はあまり好きではないんですが、それ以外はアルコールであれば何でもいけます!

「レーススタイルとして“まくり”は意識していません。戦い方は瞬時の判断ですね」

−さて、話をレースに戻しますが、山川選手は昨年113勝のうち逃げ=43本、差し=9本に対して、まくりが42本と、まくっての勝利が非常に多い印象です。やはり自分のレーススタイルとして、早いスタートからまくるというのを意識しているのでしょうか?

Queen's File 画像05いや、そんなことはないんですよ。単純に、女子戦ではスタートがバラけることが多いからだと思います。結果として女子戦ではまくりが決まっているだけで、記念やSGではそう簡単にはまくらせてくれませんしね。レース前に「こんな風に勝とう」というイメージは全く考えていませんし、戦い方は常に水面に出てから、スタートしてからの瞬時の判断で考えています。

−女子戦、混合戦、記念、SGと様々なレースに出場されますが、それぞれのレースに対する意気込みや戦い方の違いというのはやはり違うんでしょうか?

意気込みは変わりませんが、戦い方は全く変わりますね。そもそもレベルが全く違います。女子戦であればスタートがバラけることが多いですが、記念やSGはみんなしっかり決めてきますし、エンジンも仕上げてきます。大村チャレンジカップにも出場しましたが、SGはひとつでも勉強して帰ろうという気持ちで臨んでいます。

−さて、賞金女王は賞金上位者のみに出場権が与えられるわけですが、このタイトルができたことによって日々のレースへの心構えに何か変化はありましたか?

まず、出走回数を確保することが絶対条件になるので、フライングしてはいけないという気持ちは強くなりました。昨年11月のFで、今年はすでに1月が休みなので、今まで以上に1走1走を大事にしなければいけませんね。

−そうすると、毎レース、毎節の賞金額についての意識は今まで以上に大きくなるのでしょうか?

いや、そんなことはないと思います。私はあまり賞金の額自体にはあまり興味がないというか…・終わってみたらいくらだったというくらいで、賞金の多い少ないでレースへの気構えが変わることもないですね。

「賞金女王が開催されるからには、まずは12名に入りたい」

−今年は「女子王座」が2回、そして年末には「賞金女王決定戦」とビッグレースが続きます。

こんなにビッグイベントが続くのは初めてですね!全部とったら3000万円?そんなうまい話はないでしょう(笑)勝負弱いですからね。

−それでは、大村で開催される「賞金女王決定戦」に向けての意気込みをお願いします。

初開催ですし、まだピリッとこない部分も多いのですが、開催されるからにはまず上位12人に入りたい、参加したいという思いが強いです。そして参加することができたら、もちろん優勝をめざします!今年は女子王座も2回ありますし、総理杯にも出場しますので事故がないようにしっかり頑張って、賞金女王へつなげたいと思います。

【取材後記】

取材を行ったのは、昨年のSGチャレンジカップの前検日。
「賞金女王があるなら、今年の賞金を持ち越せればいいのに」と語った山川選手。
フライング休みから始まった2012年も半年が過ぎましたが、ここまでの賞金ランキングは14位と、本調子まではもう一歩というところでしょうか。女子初の通算1500勝、女子王座V2、そして現役女子選手唯一の男女混合GI優勝という輝かしい実績を持ち、今もなお女子トップレーサーの座に君臨する山川選手は、女王のプライドで、記念すべき第1回賞金女王の舞台へ必ず上り詰めるはず。下半期での巻き返しを期待しましょう!

プロフィール

名前 山川美由紀(やまかわ みゆき)
登録第 3232号(選手登録昭和60年9月)
級別 A1級
所属 香川支部
生年月日 昭和41年10月24日生(45歳)
身長/体重 154cm/46kg
血液型 A型
通算優勝回数 68回(2012/1月現在)
主なタイトル GII 第9回JAL女子王座決定戦(平成8年)
GI 第42回四国地区選手権(平成11年)
GI 第14回JAL女子王座決定戦(平成13年)